1. 遠くに見える「あの看板」は希望の光だった
1989年前後生まれの俺たちにとって、放課後のチャイムは「聖戦」の合図だった。
チャリにまたがり、俺たちが全力でペダルを漕いで目指した場所。
それが、伝説の中古ゲームショップ『わんぱくこぞう』だ。
今の時代、ゲームはスマホでポチれば一瞬でダウンロードできる。
だが、あの頃の俺たちは、500円玉数枚を握りしめ、実物の中古ソフトを求めて三千里(隣町)を走ったのだ。
2009年1月 わんぱくこぞう高柳店 pic.twitter.com/Mx7UQZ1DZK
— かんちゃん🍊 (@kanbowsan) November 19, 2025
2. 独特の「わんぱく臭」と、剥がれないシール
店内に一歩足を踏み入れると、そこには独特の「匂い」があった。
古い紙(攻略本)の匂いと、プラスチックが少し焼けたような匂い。
そして、誰が持ち込んだかわからない「生活臭」が混ざった、あの不思議な空間。
『わんぱくこぞう』あるあるを挙げるなら、これを外すわけにはいかない。
・「わんぱく」のロゴ入りビニール袋: 買ったソフトを入れてもらう、あの安っぽい袋。中身が透けて見えるのが、たまらなく誇らしかった。
・絶対に剥がれない値札シール: ソフトの裏側にガッツリ貼られた「わんぱく」の値札。無理に剥がそうとして、カセットのラベルまでベリッといってしまい、泣きながらセロハンテープで補強するまでがセットだ。
3. 試遊台という名の「1P専用・聖域」
店内に1台だけ設置された試遊台。あれは俺たちにとっての「ショールーム」だった。
最新ソフトを無料で遊べる夢の装置だが、そこには常に「試遊台のヌシ」が君臨していた。
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ヌシ(だいたい他校の少し怖い先輩)がずっと『スマブラ』をやっていて、一向に代わってくれない。
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後ろで「順番待ちですよ」というオーラを出すが、完全に無視される。
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仕方なく横でプレイ画面をじっと見つめ、脳内で自分がプレイしているシミュレーションを行う。
結局、一度も触れずに店を後にすることも珍しくなかった。
それでも、あの画面を見ているだけで、俺たちの放課後は満たされていたのだ。
4. 攻略本の「立ち読み」で培った記憶力
お金がない俺たちは、攻略本を「買う」のではなく「覚える」しかなかった。
『FF』や『ドラクエ』の分厚い攻略本を、店員さんの視線を盗みながら必死にめくる。
「隠しダンジョンの行き方は……よし、覚えた!」
そう思って家に帰った瞬間、記憶はパケ死した時のように綺麗さっぱり消えている。
結局、翌日また『わんぱくこぞう』へ向かうことになるのだ。
5.現在、わんぱくこぞうの今どこに?
結論から言うと、残念ながら運営会社としての「わんぱくこぞう」は、すでにこの世から「成仏」してしまっているようだ…
悲しい現実ですが、2026年現在の状況を整理してお伝えします。
1. 運営会社(アクト)の末路
かつて岡山県に本社を置き、全国に数百店舗を展開していた「株式会社アクト」ですが、時代の波(ダウンロード版の普及やスマホゲーの台頭)には勝てず、2010年代に別の会社に吸収合併されたり、事業譲渡されたりしました。
2. 現在、お店はどうなってる?
実は、完全に消滅したわけではなく、以下のような道を辿りました。
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「TVパニック」や「ファミコンショップ桃太郎」と合流: 同じグループだった店舗同士が統合されましたが、その後、多くが「ゲオ(GEO)」や「ブックオフ」に飲み込まれたり、閉店したりしました。
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生き残った店舗は「超レア」: フランチャイズ契約の関係で、地方のロードサイドなどに名前だけ「わんぱくこぞう」として残っている店舗が奇跡的に存在する可能性はゼロではありませんが、絶滅危惧種みたい…
今日は家族旅行の合間に、ゲームボックスわんぱく田辺店さん(@gamebox_wanpaku)に行ってきました。
小学生のころ大阪のわんぱくこぞうによく行っていたので、まだ営業されている店舗様があって本当に嬉しい…
少し遠方ですが、またお邪魔します。
そして皆様良いお年を! pic.twitter.com/9xEW3McNjf
— キセンAyR (@kisenayr) December 31, 2025
まとめ:俺たちの「放課後」は、あの店で形成された
今や、ほとんどの『わんぱくこぞう』は姿を消してしまった。
だが、あの看板の下でお年玉でゲームを買って、友達と遊びまくった記憶は、アラフォーになった今も俺たちの血肉となっている。
記事で語り尽くせなかった「放課後の空気感」を動画でお届け中!1989年生まれの同志諸君、チャンネル登録して一緒に盛り上がろうぜ!


